2、3日前からグッと冷えたので、毎日バタバタしています。
やはり冷えると高齢の方や病気の方は厳しいようなのです。
私は出来るだけご家族とコンタクトを取るようにしているので、できる限り顔を合わせてお話をしています。
会う回数が多いほど信頼もされ易いし、ふっと本心を漏らされたりするので、葬儀の演出のヒントになったりします。
先日も3時に喪主様と会う予定でしたが、もう一件仕事が発生してしまい。時間に間に合わなくなってしまいました。
「喪主様すみません、時間を3時から4時にしていただいてよろしいでしょうか?」
私はこの言葉に返すうまい言葉をまだ見つけられていません。
私らが忙しいということは、裏を返せば亡くなった方が多いということなので、これは果たして良いことなのか・・
「源川君、葬儀屋と言うのはご家族から葬儀代をいただいた時に、ご家族から『ありがとうございました』と言われる仕事なんだよ。やり甲斐があると思わないか?」
普通はお金をいただいた方がお礼を言うのに、葬儀屋は逆なのです。
言われた時はピンときませんでしたが、その社長に近い年齢になってくると、言葉の真意が少しわかってきました。
それぐらいの覚悟を、こちらも持っていないといけません。
私たちからすれば何百回ある仕事のうちの一件ですが、ご家族からすれば一生一度の〝大事件〟です。
私の母は私が18の時に亡くなりました。亡くなったその晩にお通夜となったので、それはもう大騒ぎで悲しむ間もありませんでした。あの経験がいまとても生きています。
そう言う時代でもあったのでしょうけど、いまあれをしてはいけません。あと2日・・せめて1日でも母に寄り添いたかった。
ドライアイスも防腐剤もあります。気持ちが整理できます。寄り添うこともできます。ゆっくりお別れができます。
「一週間伸びると言われて最初は驚いたけど、それくらいあって良かった」
流れ作業的に葬儀を行う葬儀屋もあるようですが、私はスタートラインが違う。一番多感な時に、一番大事な人を亡くしました。これは決定的な経験であると、痛切に思います。
全国のお母さんの葬儀を一手に引き受けたいくらい、そんな気持ちでいます。