棺(=ひつぎ。“柩”とも書きます)・・葬儀の最重要アイテム。棺なくして葬儀なし。実物は結構デカいです。単純にカラの木の箱の状態だと“棺”、中に人間が納まると“柩”だと私は教わっています。中に魂が宿る、というところでしょうか。 人間というのは大体生きているうちのことしか考えていなくて(当たり前ですが)、死んだあとのことなど普通考えない。私の兄はばーんと横に太っているので、彼に会うと「棺に入るとパンパンになるから少し痩せなさい」といいます。健康のためとかコレストロールとかの問題じゃない。棺に入らないから言っている。棺は火葬場の火葬炉の幅で出来ているので、規定があります。太っている方は腕も太いので、結構な幅になります。 先日大きな方の納棺に立ち会いましたが、まあ重いのなんの・・汗。例えるなら大きな丸太の横にぶっとい大根が二本突き出ている感じ。私も相方も力には多少自信がありましたが、なかなか持ち上がらない。亡くなった方というのは重心を移動してくれないので実に重い。魂が抜けて軽くなる??とんでもない。病気などしないで健康なままで亡くなった方は体形は変わりません。あまりに重くてくるんでいるシーツが破けました。これは私でも初めての経験。破けた箇所は持つのを避けながら数度のトライを経て、なんとか棺に納めることができました。故人様に失礼もあってはいけませんから、こちらはもう汗だくです。ただ・・棺はパンパンです。底が抜けないように棺台(=“かんだい”・・棺を乗せる台)を増やしてご安置しました(分かる方は状況が分かるでしょう)。 相撲部屋が多い近隣の斎場には、力士が亡くなった時用に幅の広い火葬炉があります。力士の場合はその火葬炉の幅から逆算して棺を特注するといいますが、私はその担当をしたことがまだありません。あまりに太っていると棺も特注になるのです(=お金が掛かると言う事) ということで、心当たりのある方はご注意?下さい。我が兄貴もきっと棺はパンパンになります。そうならないよう少し痩せさせます。
棺がパンパンの話