横浜市内には市営の火葬場が四つあります(久保山・戸塚・横浜南部・横浜北部)。このうち久保山にだけは式場がありません。火葬専用です。ほかに民営では神奈川区に「西寺尾」があります。
10月になっていくらか落ち着きましたが、9月はなんだか葬儀が多く、火葬場の予約がすぐ取れませんでした。
「えー、そんなに先になるの?」
と、何度お客さまに言われたことか・・・
ほとんどのお客様は、
ある日亡くなる→翌日お通夜→翌日葬儀&火葬をする
くらいに考えていらっしゃいますが、なんのなんの。お通夜までに三日四日空くなんて当たり前、ともすると一週間くらい待ちます。それくらい火葬場が取れない。
早い時間(9時や9時半)なら空いていたりしますが、私はよほどの理由がないかぎり早い時間の火葬はお薦めしていません。
理由はズバリ「疲れる」からです。
ただでさえ葬儀は疲れるのです。
更に早い時間になるとそれだけ早く起きて(=睡眠時間を削って)準備をしなければなりません。一度葬儀を出してみるとわかりますが、死ぬほど疲れます。親戚としての参列ではさほど疲れません。葬儀を出す家族は本当に疲れます。人が多い少ないは関係ありません。とにかく疲れます。やはり精神的なものが多くを占めるのだと思います。
運よく早く葬儀ができる場合もあります。
ほかのご葬家や葬儀屋さんが葬儀をキャンセルして、ポコッと火葬場や式場に空きができるのです。そこにうまくハマると日程的に早く葬儀ができますが、偶発的事例です。
逆にすぐ葬儀をやりたくないというお客さまもいらっしゃいます。最近お手伝いした方で
「源川さん、俺はすぐに葬儀なんてやりたくないんだよ、疲れちゃうからなあ〜」
とハッキリ仰る方がいらっしゃいました。あまりにハッキリ申されるので、逆に清々しいくらい。
お母様の逝去日から中四日で葬儀が出来たのですが、一日延ばして中五日にされました。やはり早い時間の出棺は疲れるし、埼玉から親戚が来るから早い時間じゃ可哀想・・という物理的な理由もあったようです。
その喪主様は10時半より翌日の13時の出棺を望まれました。出棺が10時半だと開式が9時半、するとご家族は8時半には式場に来ないといけません。遅刻しちゃならないと8時に着くことを考えると・・・普通の通勤時間並みの早さになりますね。これは疲れます。
葬儀の内容や金額も大事ですが、施行する“時間帯”も葬儀を形成する大事な要素だと思うのです。日程をただ早くやればいいというものじゃない。お客様の疲労具合の見極めも葬儀屋の仕事なのです。
*友引ごとに更新
誰も書かなかった葬儀のお話『何時に出棺しますか、編』