家賃を滞納して、ある日突然姿を消してしまった(つまり夜逃げした)男性の部屋のなかを覗く機会がありました。

荷物は山のようになり荒れ放題に荒れ、お手洗いもまともに入れません。とてもここで生活していたとは思えない様子。寝るためだけに帰っていたのでしょうか?大家さんがとても困っていました。

果たして自分はどうなのかと、我が身に置き換えて考えてしまいました。私は何か人のためになっているのでしょうか?家賃を溜めたことはありませんが、なんとかやりくりしているだけで、これでもし身体でも壊したら?病気にでもなったら?そう思うと人ごとには思えません。

一人暮らしで身寄りもなく、亡くなって数日後に発見されるお年寄りを何度かお世話しました。ある人は布団を敷こうとして何かの発作が起きてそのまま布団の下敷きになって発見されました。ある人はお手洗いで便座に座ったまま脳溢血で事切れて亡くなっていました。寿命と言えばそれまでですが、ちょっと寂しい気がします。たとえ家族が同居していなくても、たまに部屋を訪れてくれる友人や恋人を作って大事にしなよと、機会があれば人に言っています。そうすれば何日も見つからないということはないはずです。

今朝、東京・神奈川・千葉・埼玉の一都三県の特別養護老人ホームにはいれない“待機高齢者”は10万人いるとニュースでやっていました。全国では42万人・・・すごい数字です。かの本田宗一郎氏は「人生は離陸よりも着陸の方が何倍も難しい」と言い残しています。私もそろそろ着陸の仕方も考えて良い歳かもしれませんね=

五月の雨を見ながらそんなことをぼんやり思います。

五月の雨