亡くなった方のお勤め先や取引先の関係で、会食時に出すビールの銘柄を指定される場合があります。私たちからすれば喪主様の希望は絶対ですので、できる限り応対します。「ビールはサッ◯ロで」「キ◯ンでお願いします」と言われたら用意します。ハイヤーの車種もそうです。ニッ◯ンの取締役の方の葬儀で◯ヨタのハイヤーはまずい訳です。これで気持ちよくお金を払っていただけるなら安いものです。ほんの少しだけ心を配るだけですから。
前に一度びっくりしたのが、一般の弔問客がお清め場で「どうして◯◯のビールじゃないんだ!△△ビールなんてビールじゃない」とやいのやいのやっている。接客係が持て余してしまったので私が応対し、担当者に確認を取ってから(葬儀ではどんな行動も担当者の確認を取らないとスタンドプレーになります)近くの酒屋さんに欲しいと仰る銘柄を買いに行きました。生憎缶しか売ってなくて、それを持っていくと感謝されるどころか 「なんだよ缶かよ。ビールは瓶が旨いんだよ!」 ひと口飲んで「あー、マズい」とかやっている。ここで分かりました。彼らは何かが言いたいのです。弊社に面白くないことがあるのか、故人やご家族に何か思いがあるのか・・ 「ごゆっくり」 と軽い会釈で私はその場を離れました。顔では笑っていましたが、心はもんどりうっていました。彼らは葬儀場にお酒を飲みに来たのでしょうか? 恨みのはけ口なら完全に相手を間違っています。お客様の話なら幾らでも伺う気持ちでいますが、悪口や陰口は遠慮します。申し訳ないですが、あの状況であの方たちの口から故人様との感動的なエピソードが出てくるとは考えにくい。コンビニの店員さんや客室乗務員さんなどにやたらと偉そうに振る舞う方々なのでしょうか。 ただあの場でもうまくなだめられる切り返しが出来たら、私の葬儀スキルもかなりのものなのでしょうが・・腹を立ててるあたりではまだまだです(涙)
ビールの銘柄