CDの8曲目に収録されている反戦歌です。アルペジオで始まる、しっとりとした弾き語り曲。 この作品が出来たきっかけは去年(2010年)知り合った著名な写真家のMさん。 Mさんは被爆者の写真を撮っている方で、写真を通じて反戦を訴えています。Mさんのお話を聴き、著書を拝見している中で、ある光景が思い浮かびました。 それは、あの原子爆弾でお子さんを亡くした親が、戦後60年以上経ったいまでも毎朝仏壇を拝む姿。 なんとか歌にならないか苦悶していると、原爆体験者のある言葉を知ります・・「うちはまだ良かったですよ、一人で済みましたから」 電撃が走りました。うちは(被害者が)一人で済んだから良かったと、その方は思う訳です。もっと大勢の身内や親戚を亡くした人がいる。その方に比べたら自分はまだ良い方ですと。こんな切ない気持ちがあるのか・・心が震えました。 歌は完成しました。アレンジもとても気に入っています。最後のボーカルの音質が変わるの、わかりましたか?
あの子にとっておいた桃 あの子に食べさせたかった桃
おいしい桃があったから あの子が好きだったから
8月6日の朝元気に 家を出て行った息子
眩しい光と轟音が あの子を連れ去ってゆく
今年も桃の季節が 私も一年歳をとり
それでも消えないあの一日 それでも消えないあの笑顔
一人で済みました うちは一人で
身体もありました ありました
(みながわじゅん作詞『桃の季節』より)
収録曲せれなあで(3)『桃の季節』