東京・竹芝桟橋から南へ1000キロ、片道25時間30分の船旅。これがまたいい感じ。部屋でゴロゴロするもよし、デッキで飲みながら景色眺めるもよし、誰かと話すのもよし・・・本土を離れるほど海の色が青くなります。今回の便は年に一度だけ、硫黄三島(硫黄島・南硫黄島・北硫黄島)を回るクルーズ。硫黄島(正式には“いおうとう”)は海上及び航空自衛隊の基地があり、その関係者と技術/建設に携わる人しか行けません。大西洋戦争時に激戦があり、いまだに多くの英霊が眠っています。上陸は出来ませんが、船で近づけるだけでもたいへん貴重です。南硫黄島はまさに南海の孤島。人間の定住した記録はなく、海鳥たちのパラダイス。北硫黄島は戦前まで人が住み、強制疎開後は帰還が許されていません。しかし船で見る限り、どこに人が住んでいたのだろうと思います。人間のたくましさを感じます。
硫黄三島を見た後、父島に戻ってきて翌日は戦跡ツアーへ。ガイドさんとともにほとんど手つかずの戦跡(元の通信所や発電所、壕や高射砲の残骸など)を見て回りました。こういうのを見ると戦争って最近あったんだなあ・・と思います。父島の兵士はその後ほとんどが硫黄島へ赴任したそうです。
海も行きました。境浦という浜には沈没船があり、魚の住処となっているのです。シュノーケルでのぞくともう別世界。ウェザーステーションという二見湾を一望出来る展望台に昇り、夕日を見ながらぼーっとしました。
最終日はドルフィンウォッチングへ。ツアーで南島まで船で連れて行ってもらい、兄島と父島の間の漁獲禁止区域で泳ぎました。ここのお魚は怖い想いをしたことないから人間を怖がることがありません。イルカ君も何頭も見ることが出来ました。(ちなみにイルカの数え方は“〜頭”か“〜匹”の併用だそうです)クジラは見えませんでしたが=
そしていよいよ父島を離れる時が。お世話になった方が大勢見送りに来てくれます。宿の方が大きな旗を振ってくれました。グっときます。 今度は母島にも行こうと思います。小笠原は世界遺産にも登録されて、今後いっそう自然保護の努力が必要です。我々旅人も気をつけなくてはなりませんね。 最後にもう一つ・・・産卵から海に帰ってゆくウミガメを見ました。生命の神秘です。無事に子カメが孵るのを祈って・・・