火葬場は通常、友引以外の朝の九時から15時まで稼働しています。いわば
“施設内火事”
を年中起こしている訳ですが、私の経験上一度だけ火葬場の“リアル火事”に出くわした事があります。
まだ建て直す前の都内のK火葬場でのこと。
私はその当時まだ見習いのような頃で、別のご家族の葬儀手伝いでした。火葬場に近づくと、式場でボヤがあったらしく焦げ臭いのです。遠くから現場を見ましたが、式場の中に貼ってある白い幕が一部焦げているのが見えました。祭壇を照らすスポットライトに式場の幕が近づきすぎて焦げた、とあとから聞きました。
すでに鎮火していたし怪我もないようなので大事には至らなかったと思いますが、葬儀屋はそれなりのペナルティーを背負ったと想像します。火葬場も火事になるんだなあーとしみじみ思いました。
火葬場ではその後、スポットライトのワット規制が決められ、あまり強力なスポットは使えなくなりました。
火葬場自体の火事ではないですが、火葬場のすぐ近所での火事にも遭遇したことがあります。
こちらは都内のO火葬場。トラックで祭壇を搬入しようとしたら、いつも使う道が消防車と野次馬がいっぱいで入れません。別の使い到着はしたのですが、黒い煙がもうもうと立ち上るのが見えます。来る業者さん来る業者さんが口々に
「火事だ！」
と言っています。火葬場近くのアパートから火が出たようです。後日その建物の前まで行きましたが、もう人が住める状態てはありませんでした。
これから冬本番。頻繁に暖房を使う季節です。
火葬場が火事になるくらいですので、皆さんもくれぐれもお気をつけ下さいませませ。
＊友引毎に更新
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誰も書かなかった葬儀のお話・・ 『火葬場が火事のはなし』編