融通が利く人/利かない人・・・先日携わった葬儀のケースを例にとり、ちょっと考えたいと思います。

あるおばあちゃんが老人ホームで亡くなりました。結婚はせず両親は他界、身寄りはありません。

最期まで面倒を看ていた方は義理の弟さんでした。亡くなったおばあちゃんの妹の旦那さまで、この妹さんも10数年前に亡くなっています。義理の兄弟とはいえもちろん血のつながりはありません。本当に偉いと思います。

故人様にもいろいろと事情があったようで、本籍地を点々としています。死亡診断書には必ず本籍地を記載しないといけないので、結局老人ホームが本籍地となり役所を通しました。

葬儀の喪主もつとめられた義弟さん。埋葬の段になり墓所側から「喪主さんと故人様がつながっているという書類が欲しい」と言われました。墓所からすれば“事件がらみ”・・つまり訳ありの亡骸は入れたくないのです。区役所で故人の戸籍謄本を出そうとしました。妹さんの戸籍謄本は持っていますから、そのお姉さんのものも出せば、ご両親の名前が出ています。これを合わせて“アカの他人ではない”と証明しようと思ったのです。

しかし戸籍課の担当者は「故人の身内でないとプライバシーの問題があり出せません」の一点張り。義理の弟が申請者では出せないというのです。ご本人には家族がいないし、唯一の肉親である妹さんは既に他界。担当者の考えに沿うと、このおばあちゃんの戸籍謄本は絶対に出せないのです。・・・担当者の心配も分からなくてはないのですが、この応対はどうなのでしょう?こちらはお骨を持ってこれから埋葬しようとしているのです。喪主さんの心中は如何ばかりだったろうと思います。

しばらく押し問答が続きましたがラチがあかないので、「墓所に行って話してみよう」となりました。墓所の事務所で経緯を話すと「私はこの故人の親戚です。問題ありません」という念書を一筆書くことにはなりましたが、受け入れてもらえました。先に区役所に行っていたことが良かったようです。墓所としては特別に受け入れていただいたこと、こちらもそれは真剣にお話ししたことをここに明記しておきます。

それをやって誰が喜ぶんだろうということがあります。誰も得もしない幸せにもしないことを、一生懸命延々と「それをやっているのは私」というような顔してやる人がいます。多分自分が責任を負うのが嫌で正規のやり方以外をやりたがらないのでしょう。責任はこっちが持つと行ってもやらない。それは一体誰のための仕事なのかと思ってしまいます。

今回のケースは特殊ではありますが、今後様々なケースが増えて行くと予想されます。みんながみんな家族と暮らしているのでないですから。

これからは臨機応変力が試されますよ、戸籍課さん!

臨機応変力