池上駅近くの居酒屋さんの女将さんが亡くなりました。 年齢はわかりませんが、80歳は超えていたと思います。 私は担当の葬儀や電話番から開放されたとき、携帯電話の類を一切持たずに銭湯に行き、その後その飲み屋さんに行くのが週に一度のお楽しみでした。 女将さんはメニューに無い、頼んでもいないお新香をひと皿 「召し上がって下さい」 と持ってきてくれました。その塩加減がビールにとても合うのでした。あと串の焼き物が女将さんの担当。狭いブースで焼き鳥を焼いてくれました。 耳も遠くなった女将さんは、その動きの遅さに息子さんである大将とよくぶつかっていましたが、それもここの風景なのかな・・と思いつつお酒を飲んでいました。
女将さんがお店にあまり出て来ないので 「どうかされたのですか?」 とある日聞いてみると、 「実は・・倒れちゃったんです。年齢も年齢なので」 と、いつも大声で叫んでいる大将がショボンとしています。 精一杯の労いをしてみたものの、何の効力も無いのは分かります。 ・・で、数日後店に行ってみると、やはり亡くなっていました。 「いつも女将さんが出してくれるお新香が楽しみだったんですよ」 「そうでしたか・・」 「いっぱい泣いて下さい」 「毎晩泣いてます」 今度お店に行く時は、お供えのお酒と滋養強壮剤と持っていこうと思います。葬儀を出すと思いのほか疲れます。これは葬儀を出した家族しか分かりません。 早速お店を開けている大将を、これからも応援したいと思っています。 またどこかで美味しいお新香を食べさせて下さい。 ご冥福を祈ります。合掌−−
池上駅近くの居酒屋の女将さん