人が亡くなると担当医師が
“死亡診断書”
なるものを書いてくれます。これが非常に大事な書類で、これがないと“火葬許可証”が発行されません。つまり火葬/葬儀が出来ません。
死亡診断書に必要事項を記入し、所定の役所へ提出すると火葬許可証が発行されます。亡くなった方の本籍地か亡くなった場所、もしくは申請者の住所(本籍地ではありません)の役所へ行ってその申請をします。
 
前に「自分で手配すれば葬儀は安く済む」みたいなサイトで「火葬許可証を自分で取りに行こう」なんてことが書いてありました。完全に葬儀社を敵に回すような言い回しで、“葬儀社を儲けさせることはない”風に書いてました。棺も骨壺もネットで買える、なんてことも・・(買って一体どこに置く??)
どうぞ素人さんでやれるもんならやってみて下さい。もし火葬許可証を忘れたら火葬は行なわれません。納棺しないと火葬場は受け付けてくれませんよ。我々はどれだけ気を遣って書類を管理していると思っているのか・・葬儀屋をナメてもらっちゃ困る。
 
費用も大事ですが、もっと大事なのは「想いを込める」ということです。どんな風に送るのか・・音楽は何を流そうか・・何を飾ろう・・何を棺に入れよう・・誰を呼ぼう・・こんなことを考えているうちに葬儀の日はあっという間に訪れます。逆を言えば、火葬許可証などの手配は我々業者でも出来ますが、『想いを込める』という行為は家族でないと出来ないのです。
 
葬儀はご家族にとってはそれこそ一生に何度とない、そして何十年に一回の大イベントです。出来れば「ありがとう」と言って見送りたいのですが、なかには悲しい/切ない別れもあるでしょう。そこに至る数日間を、出来れば静かに向かえてもらいたいと思っています。葬儀の担当者は喪主さまの手となり足となり、目となって働くはずです。(そうじゃない葬儀社ならすぐ断りましょう)
ただ、想いまでは届きません。故人を知らないのですから。そこはご家族の出番です。
いっぱいに想いを馳せてもらいたいと思います。
想いを馳せる話