お気に入りの映画です。デンバーからサンフランシスコに向け、ひたすら走る一台の白いダッジ・チャレンジャー。

主人公の名はコワルスキー。セリフも少なく、主人公の過去がフラッシュバック挿入されますが、なぜ彼があそこまで走ろうとするのかまでは描かれません。そこは観る人の想像まかせ。観念的であり、宗教的ですらあります。

でも人生ってそういうことかも、とは思います。ただ走る、ただ生きる、ただ歌う、ただ歩く・・・お遍路するのに理由なんてないですもの。「お大師さまに呼ばれた」などと言いますが、行きたい気持ちがあって健康で、時間とお金があれば行くんです。ただそれだけ。拝んで食べて歩くだけ。山があるから昇り、道があるから歩いたり走ったりするんでしょう。それを言い切るか言い切らないか、その違いだけ。理由があって歌を作る訳ではありません。(理由なんてあとからいくらでもついてくる)

いじめは悪い、原発は嫌い。それだけです。理由なんて、ない。理由なんて探したら・・・コワルスキーに笑われる。

バニシング・ポイント