葬儀で飾る“祭壇”。最近はお花で作る祭壇が多くなりましたが、私が業界に入った頃(最近このフレーズが多い)は、“祭壇”と言えば白木祭壇を指しました。いまでも白木の祭壇はありますが、前ほどの出番はなくなりました。 私は白木・・意外と好きです。白木を飾ると「葬儀をやるぞ!」という気になります(笑)。 白木祭壇は幾つものパーツに分けられて専用箱に収納されますが、これらをトラックなどの搬送車に運び込むことを “積み込み” といいます。担当者から 「◯◯祭壇をトラック積んどいてー」 とか言われます。積み込みはただ積めば良いというのでなく、ちょっとした隙き間にテーブルを挟み込んだり小物をうまく組み入れたり上手に積んでいきます。隙き間があると運転中ガタガタ音がします。あまりにガタガタするのは運転手の精神衛生上よくありません。なるべく隙き間が空かないよううまく積んでいくのです。 あと積み込みで大事なのは、手前に少しだけスペースを残すこと。出発間近になって 「これも積んどいてー」 と、担当者が思いもがけない荷物の積み込みを要求する場合があります。現時点でパンパンに積んでしまった場合、新たな荷物を積むためにいったん荷物を降ろしてまた積み直す、なんてことがあるのです。 積み込みの心意気三か条は
・隙き間をなるべく作らないこと ・手前にいくらかスペースを残すこと ・万が一急ブレーキを踏んでも荷物が前に崩れないこと こんなところでしょうか。あと私個人的には ・見た目も綺麗に というのがあります。積み込みがうまい人っています。芸術的な積み方なのです。うまく積むと崩れることも少ないのです。積み込みをお客様に見られることはまずないのですが、せっかく積むなら綺麗に積みたいな、というのはあります。それがどこまで実現できているかは分かりませんが・・・ 積み込みは葬儀屋の“心意気”なのです!?(写真はイメージです)
積み込みの話