読経が終わり、私たちはお別れのお花の準備をします。供花の花弁をお盆に乗せていきます。想い出の品々を入れたあと、お花を故人の身体の周りに飾って、柩の蓋を閉じます。そして・・・ 喪主(または親族の代表)がひと言挨拶をします。ここで葬儀の担当者は想いを巡らせます「長くはならないか?」 挨拶が2〜3分で終われば何の問題もありません。故人とのエピソードや治療の経過等を簡略に話していただいて、いまの心境でまとめです。こういうのはあまり長くないほうがいいのです。 挨拶の打ち合わせのときに、「そんなに長くならないから」なんて仰る方はだいたい長いです。きっと“長い”の意味をはき違えていると思われます(笑)。 「ちょっと長いかも」と仰る場合は、短くはないけどきちんと内容のある、しっかりと伝えたいことがある場合が多いです。 かつて10分以上(!)話された親族代表のおじさんがいました。もう長いのなんの。で内容がほとんど無い。その場その場で思いつくことを話している感じでした。お客様もざわつき出してしまい、火葬場係員もそわそわしちゃって・・(関係者なら浮かぶ光景ですね)担当者の苦い顔はいまでも忘れられません。 葬儀はすべて時間で行なっていきますので、遅刻は厳禁なのです。出棺が遅れたら業界用語で「釜落ち」といって、火葬が後回しにされる可能性があるのです。するとすべてがずれていきます。 紙に書いていけばいいのです。読みながら挨拶したって変ではありません。逆にすらすら出るほうが不思議なくらいです。 今後、もしあなたが挨拶をする機会があったら、葬儀担当はあなたの挨拶を時計と睨めっこしながら聞いていることを覚えておいてください笑
出棺の挨拶考