お客様からお声が掛かかる(=人が亡くなる)と、車に乗り込んで病院や施設などへお迎えに行きます。 助手席には打ち合わせカバンを置いて、車の暖気をしている間に電話機と耳に付けたブルートゥース子機を連動させます。運転中もお客様と連絡を取ったり、業者さんと話したりするのでブルートゥースは必須アイテム。運転中電話を持っての通話はいけませんからね。
で、この日もそれいけ!と発車したのはよいものの、踏切の前に来たら全然遮断機が上がる様子がありません。 しびれを切らした通行人は(本当はいけないのですが)遮断機をくぐり横断。私は車なのでそれはできません。後ろに下がろうにも車が4台ほど詰まっていて動けません。 どうも隣の駅で何かの接触事故があったようで、電車が止まっていたのでした。それがちょうど私が踏み切りにきた時に起きたようなのです。 「どうしよう・・・」 お客様には1時間ほどで着くと伝えていますが、踏切で20分くらい待たされました。そのままだと完全に遅れてしまいます。ほどなく最後尾の車が下がりだし、続いて2台目3台目も下がりました。ほかのドライバーさんもここは開かないと判断したようです。で、私も50メートルくらいの鬼バックを敢行し、無事に踏切地獄を切り抜けました。 こういう時は勢いが大事です。流れに乗ってしまうのです。考えたらダメ。それが必要な時もあるのです。 急いで向かいながらお客様に連絡を取り 「菩提寺様はいらっしゃいますか?」 「葬儀はいつごろお考えですか?」 とか伺いながら“待たせてる感”を払拭。何かアクションがあれば、お客様は待っている気持ちがしないものです。その後無事に病院に到着しました。携帯電話ってすごい!! ということで、葬儀屋は踏切前で立ち止まっている可能性がありますので、あまり急かさないで下さいね(笑)
あかずの踏切