先日、“エンディングノート”なるものに添って、葬儀の打ち合わせを行ないました。TVなどでよく特集を組まれているようですが、実際にお目にかかるケースはそれほど多くありません。
 
故人はおじいちゃん。奥様が喪主で、ご長男と主に打ち合わせを行なったのですが、ご長男が分厚いノートをペラペラめくりながらお話をされています。
私が
「それは故人さまがお書きになったのですか?」
と聞くと
「ずいぶん前から書いていたみたいで、毎年毎年書き直していました」
とのこと。ワープロでこと細かく書かれているのがこちらからも見えました。
 
葬儀はこういう風にして欲しい、出来れば家に帰りたい、写真はこのなかから選んでくれ、印鑑はこれを使え・・
 
写真の候補は4〜50枚あり、SDカードにも入れられていました。印鑑まで用意されたケースは私も初めてです。せっかくなのでその印鑑を預かり、写真を選んで葬儀内容を決めていきました。自宅に広いお部屋があったので、そこで柩を囲む形でお花を並べる祭壇となりました。お花の種類や色もこだわりがおありでした。自宅からの出棺なので、霊柩車は一目でそうとは分からない車種にしました。それもご希望に合わせました。
 
「思う通りの葬儀になって良かったね」
 
奥様がしきりに故人に語りかけます。その光景がとても爽やかでした。これからこのような葬儀も増えて行くのでしょうかね?意向が分かっていると判断し易いかもしれませんね。
 
あらかじめ写真があるだけでずいぶん違います。写真がある方というのは(意識して写真を撮ってる)という方です。癖のように写真を撮っている方ですね。
あるようで無いのが写真です。覚えていて下さい。
誰も書かなかった葬儀のお話 『エンディングノート』・・編