雪、降りましたね。 ちょうどあの日も発生(=人が亡くなること)し、雪のなかを病院へ駆付けました。 病院で待機しているあいだも雪は降り続け、しかも帰るご自宅は坂の上のマンション!!スタッドレスタイヤの威力をこれほど痛感したことはありません。 故人は息子さんで、お母さんと妹さんが私の車に同乗されました。 お母さんは気丈に振る舞われていましたが、ぽそっと
「息子が降らせたみたいね・・」 と、降る雪を見ながらおっしゃいました。私は無言で頷きながら自宅へ到着。無事ご搬送が修了しました。 ある葬儀の司会進行を私がしていたときのこと。喪主様の挨拶が終わりさあ出棺、というときになって地震がありました。私は慌てずに、その葬儀の担当者に 「非常口はそちらですね?」 と目配せして周囲の方に安心してもらい、事態が収まるのをじっと待ちました。 ほどなく収まり、出棺を再開しようとしたときに、私はご家族に向かって 「お母さん、出棺したくないのでしょう。皆さんと別れたくないんですね」 と、言いました。喪主様は目に涙を浮かべて頷かれました。 葬儀の際に雨が降れば、 “涙雨(なみだあめ)” と言って偲んだりします。もしあの地震で私たちもうろたえれば、お客様はもっと不安になったでしょう。不安を煽ってはいけないのです。 雨や雪が降ろうが、地震が起きようが、要は捉え方です。「雨だ」「雪だ」といちいち気にするより、それを正面で受け止めてきちんと準備/対処をする。それが大事に思います。 もう少し暖かくなれば桜が咲きます。その時期に葬儀のお世話をさせてもらった場合、私は桜が咲いている道を選んで通ったりします。 「お父さんに桜をお見せしたかったので」 なんて言います。大抵は喜んでいただけます。 言葉はタダなのです。 言わないで分かるハズがないんです。親しい仲であっても感謝の言葉や謝意は必要です。 想いのあるひと言あるだけで、その人生は言う方も言われる方も違う方向に向かうのです。 きちんと伝えれば、きちんと還ってきます。期待はせずに発信し続けるのです。 愛って発信だと思います(・・なんてね!) *友引毎に更新
誰も書かなかった葬儀のお話・・『モノは言い様』編