人は亡くなると、診断を担当した医師より〝死亡診断書〟が発行されます。
(変死の場合は〝死亡検案書〟と名称が変わる)
これを所轄の市役所または区役所の戸籍課へ持っていき、『火葬埋葬許可証』を出してもらいます。
 
都内では必要ないですが、神奈川県の場合は所定の申し込み用紙があり、これに記入して死亡診断書と一緒に提出します。
葬儀においてはこの〝死亡診断書(死亡検案書)〟〝火葬許可証〟が何より大事な書類と言え、
担当の葬儀屋はきっと肌身離さず持ち歩いているはずです。
失くしたら大変、葬儀(というか火葬)が出来ません。
 
インターネットなどで格安を謳う葬儀社は、きっとこのあたり手続きをお客さん自身にさせていると思われます。
書類を持って役所へ行かねばなりませんし、混んでいたり照合に手間取ったりすると、発行に一時間以上待たされることだってあります。
駐車場が混んでいて、すぐ駐車できないことだってあります。
こう言う仕事は葬儀屋がやるべきだと私は思います。ご家族は葬儀に集中すべきです。
・・・・・
ある葬儀の手続きのため、区役所の戸籍課へ向かいました。
用紙の記入を済ませ、窓口で提出。照合もスムーズで20分ほどで火葬許可証が発行されました。
受け取って他の仕事を済ませ、その日は終わりましたが翌日になって・・・
「もう一度、区役所に来て欲しい」
と連絡がありました。聞くと
「喪主の住所と本籍地を逆に書いてしまった」
とのことでした。
〝間違えたのはそっちなんだから、そっちが取りに来てよ!〟
の世界なのですが、ここは葬儀に携わる身・・なるべく穏便に済ませたいところ。
ちょうど翌日も区役所の近くまで行く用事がありましたので、その時に訂正した書類と交換。事なきを得ました。
もしご家族で手続きをしていたら、ご家族自身がこれをやらねばなりません。
葬儀の準備や連絡、お寺様との打ち合わせや家の片付けに追われるご家族には負担になります。
・・・・・
〇〇社のカスタマーセンターから一人の社員に送ったメールのはずが一斉送信されてしまい、
何万人の顧客情報が流出!とかってあるじゃないですか(起きて欲しくないですが)
ネット社会とか言っても、まだまだ司るのは人間。
区役所の人も人間なんだなー、と思った次第です。
 
・・と同時に、自分も気をつけよう、と思いました。
人間である以上、完璧は無い。なるべく完璧に近づけるだけ、です。
(写真はイメージ)
誰も書かなかった葬儀のお話 『区役所の人も人間』・・編