誰から聞いたか・・ “棺”というのは「何も入っていないただの箱の状態」を指し、“柩”というのは「故人(魂)が入っている状態」と聞いたことがあります。いずれにせよこれがなくては始まらない。お寺様にとって一番大事で尊いものはご本尊であり教えです。ご家族にとって大事なのは、やはり愛する故人でしょう。つい先日迄生きていた人が冷たくなるっていうのは・・言葉にし尽くせません。棺は式場の中央に鎮座し、我々はご本尊と同じくらい大事に取り扱います。 棺は意外と大きいものです。「家に入りますよ」と、軽くご家族の方はおっしゃいますがなんのなんの・・棺って思ったよりデカいのです。普通に生活する中で目にする一番大きな“箱”なのではないでしょうか?玄関や廊下、階段を我々葬儀屋はあの手この手で棺を家の中へ入れます。斜めにしたり縦にしたり・・ 玄関からが無理なら窓から入れたりもします。家に入るのなら出せるのが原則ですが、棺の場合は故人様が中に入りますから、そう簡単にはいかない。これから夏ですので、早い段階での納棺(故人を棺に入れること)を勧めます。人間は水分の塊で巨大な魚みたいなもの。傷みも早い。一秒でも早く冷却処置をしたいのが本音です。ただ棺にはいってしまうと「いかにも」と言う感じになってしまうので、悲しむご家族に対しそのあたりは心を砕きます。 あれだけ苦労して家の中に入れた棺に故人が収まったのを、どうやってまた家から出すのか?方法はあるのですが、企業秘密ですのでここでやめておきます(笑) 偉そうに生きていた人間も所詮は棺に入り、灰となって骨壺に収まってしまうのです。どこかで書きましたが葬儀で涙も流してもらえない、線香一本もあげてもらえない人生は送りたくないし、送ってはならないと思います。自戒として・・
棺/柩のお話・・